詩 poetry

福音

大きなカバンをもって足早に駅へ向かうなか「 君は重大なミスを犯した 」男子高校生2人組の1人がそう言いました。なぜか耳に大きく響いてくる見知らぬ人の会話というものが、たまにありますね。君は重大なミスを 犯したまるで福音書にでてくるかのようですさ…

vibration

ますます思うのは感動は心臓のあたりで生まれる感覚と、脳のほうの信号の激しい振動であるこの世で痛いくらいに気持ちいいものは中毒性のある悲劇であるであるからにして常に胸に痛みを持つ我々の種族はもっぱらに快楽主義者というほかない

ソウルで凍る

目を閉じなさいそこに見えるでしょうソウルの荒れた雪の景色が誰もいないでしょう側には枯れた背の高い草が息がキラキラしているでしょうあなたの心臓は赤いでしょうこの想いも凍ってこの地に埋めてしまいましょう誰も永遠に見ることのないように誰も知らな…

友人と陰の会話をした

本当に陰のある人は案外その奥深くまで通える距離に近づくことを許してくれてはじめてその孤独をちらと見せてくれるものでしょう友人は美しい言葉を放った

左様ならば

左様ならばわたしはフィクショナルなものに永遠を見出そう左様ならばわたしはわたしのこどくをみなと同じくわたし自身で処理しよう左様ならば孤独で繋がるわたしたちは誰一人として孤独な者はいないのだから

万年筆

「はじめてでいらっしゃいますか?」彼は私にはじめてなのかを若干の確信をもって尋ねた「いえ、二個か三個かもっています」そうでしたか、彼は答える初めてではないことがなんだか申し訳ないことのように思ったわたしは尋ねる「何か気をつけるべきことなど…

無題

駅の近くのドアからドビュッシーが流れていた彼の好みではないはずだったがなぜかその時は、(またまたなぜだがと言わざるをえないのだが)ドアそのものから流れてくるドビュッシーにいたく心を奪われてしまったこれがいわゆる全てのものはタイミングであると…

アルパ

アルパは目を閉じた。喫茶店の中では、50代の男性たちの談笑とラジオから聞こえてくる女性ヴォーカルの歌が聞こえて来ていた。目を閉じて、この間のドライブの様子を思い浮かべてみる。カモメが一匹、空を飛んでいた。サングラスをかけた男。思い出されたの…

penguin

ペンギンたちは氷の上で眠る星空の下で愛をうたいたまごを産む彼らがなぜこの星で生きているのかをわたしは知り得ないペンギンが居なくても生態系は保たれるのではないかと無学の僕は思うけれどもそこにはなにか私たちに繋がる秘密の存在理由が在るのかもし…

her name was

Part of me once said “I want your gene”.Her name wasn’t “LOVE” though it seems to be so.

prega per noiの祈り

(具合が悪いとなぜか文章が書けます..)prega per noiどうかわたしたちをお許しください自らの美しき部分を保つことができず心を裂いてしまうわたしたちをお許しくださいprega per noiどうか黒と白の間に位置するすべての悪行を許してしまうわたしたちをお許…

ハンドクリーム

散歩をしていると、ふと2年前、もしくは3年前くらいの記憶が浮かぶ感触がした。たぶん2年前くらいだけれど、3年経っている可能性もある、それくらい曖昧なもの。当時はなんだかフワフワとした悲しみがあった気がするけれど、今思い出すとそれもまた美しいよ…

風とヘルメット

私は常々翼を使って移動しています。そうです、みなさんがバイクや電車を使うように。世間では私のような者は天使と言われているかもしれませんね。今日はヘルメットを新しくしたのです(前のものより小型軽量のものです)ヘルメットですか?勿論つけています…

Helloちゃんによせて

しばらく私はその存在を忘れていた彼女はここに居た時にもとても静かに過ごしていたから。だからわたしは今でも彼女がここに居てただ目に見えないところに座っているのではないかと思ってしまうのだった。でも私は思い出した。そうだ彼女はもうここにはいな…

夕陽がとても綺麗

夕陽がとても綺麗ですあなたと見てみたいと思う。これが恋と呼ばれているものなのでしょうか。

喪失

「電車で移動中に(東海道線です)僕は小さな女の子、と言ってもおそらく7、8歳の子がえんえんと泣くのを見ました。その泣き方は明らかに駄々をこねるような泣き方ではなかった。傍でやさしく見つめるお母さんもその僕の解釈のもとになっていました。「ぴぃち…

Bitter Sweet Sights

I saw the river water flowed.Color was blue.Sunshine was there with us,We were having cup of ice cream.Piano sounds came on,we started dance then.As noone see us dancing.Care nothing about others.Wind blows.

夕焼けの寓意

存在しないものにも我々は恋をするのだった私はいま、この世に実在はしない空というものに内包されながらにして、存在しない彼の色、夕焼けというものにひどく惹きつけられている。私もまた、彼の一部である。幻なのだ

夕陽予報士

拝啓 キリヤ先生お久しぶりです。こちらはとても暑い日でした。先生は今日の空を見ましたか。綺麗な紫色でしたが、見ましたか。ぜひ一緒に見たいと思ったのですが私が綺麗だなと思いながら庭をぐるりと一周して戻ってきたら、もう灰色が混じっていました。そ…

古い民謡「ツバメ」

「ツバメの雛は巣立つもの 僕たちはそれを見守るだけのものツバメの雛は空へ行くものここに共に永遠に生きるものではないものツバメの雛が巣立てたず共にいることは僕らが喜ぶべきものではないものツバメの雛がここを去らずには新しい世界は僕らにだってやっ…

お久しぶりです。

拝啓 清子さまお久しぶりぶりです。お元気にお過ごしですか。このところ、いつもより少し、仕事が忙しく、溜まり気味で心が灰色になっていたので、すっかりお手紙のことを忘れてしまっていました。今日は土曜日です。さきほど、お昼に書店へ行って綺麗な青…

空とアオ

彼女の名前はアオといった。彼女はとてもまじめだったので、すべての真実を知りたがった。地球上のすべての謎を自分でちゃんと解きたいと思った。でも、誰も真実のことを教えてくれなかったし、ついに彼女はこの世に真実という名前にふさわしい状態で存在す…

海辺での話

この動画に寄せてhttps://youtu.be/NWIeWaqCOC8「やぁやぁ。やってるかい。君、今日もサワークリームオニオンのポテトチップスを食べてるね。美味しいかい。ところで、1955年と1981年どちらが好き」「美味しいわよ。今日も変わらず。いつも買ってきてくれて…

聖堂

ある時私はヴァチカンで祈る人を見た。彼女は聖堂の窓からの光を受け柔らかに光っていた。彼女からも優しい光が出ているようだった。祈る人の想いはとても美しかった。そのようなこの世の美しいものを自分でも作りたかった。祈りの場所である聖堂をモチーフ…

77歳の平均律

「ねぇ 君が77歳になったところを想像してみて。湖畔かどこかの木の長椅子で休んでいるか、あ、君が海が好きなら砂浜でもいいよ。君の家の庭でもいいけどそこで平均律の1番を聴いているのを想像してみて。」「してみた。それで?」「色んな奏者がいるじゃな…

拝啓 キリヤ先生

「 拝啓 キリヤ先生空が綺麗です。 今日は海みたいに綺麗でした。風が強く、雲はすらすら流れています。あなたの事を懐かしく思います。そちらの海はいかがですか。こちらの空と繋がっている青かしら。そちらの青に似た絵の具があったらぜひ送って欲しく思い…

人魚と男

「今夜、月へ発とう。」「そこで何をするの。」「僕は椅子に座って酒を飲もう。君は小さな湖と杯を持っていけばいい。水があれば君は僕の隣にいてくれるだろう?」

プリズムの契約

彼の名はプリズムといった。彼は光をいつも鞄に入れて時間の中を進む存在だった。その流れは一方通行のみであって、決して後ろへは戻らない規則が定められていた。その規則はプリズムが決めたことではなく、どうしてだかは誰もわからないが、とにかくそうい…

ぬるい風が吹いたきもちのよい風僕はサンダルをはいて散歩に出る街灯の光影が出る僕の影は僕に昔を考えさせたでも僕はこれから先を生きていかなければならない先は見えないかもしれないけれどとにかく歩いて行くことは僕にだってできるのだから

Black

Now I am age 17.You see my white hair on my head.Today it is Monday.Sky looks like your hair, gray.I am looking sky and birds fly.You are watching coffee and my white hair.Clock is measuring 60 in a minite.We hear that sounds.The earth is…