ハンドクリーム


散歩をしていると、ふと2年前、もしくは3年前くらいの記憶が浮かぶ感触がした。たぶん2年前くらいだけれど、3年経っている可能性もある、それくらい曖昧なもの。

当時はなんだかフワフワとした悲しみがあった気がするけれど、今思い出すとそれもまた美しいような気がする。

僕はたぶん、失われてしまったものにいつでも憧れる、バカ男だ。

たぶん今日、久しぶりにつけたハンドクリームが、その時によくつけていたものだからなんだと気づいた。

いつかこのクリームもなくなる。
変わったシリーズだから、もうこの先失われてしまったら永遠に失われてしまう匂いなんだろう。

そうしたら僕は
今日思い出した記憶を思い出すきかっけも
無くしてしまうということなんだろうか。