空とアオ


彼女の名前はアオといった。
彼女はとてもまじめだったので、すべての真実を知りたがった。
地球上のすべての謎を自分でちゃんと解きたいと思った。

でも、誰も真実のことを教えてくれなかったし、
ついに彼女はこの世に真実という名前にふさわしい状態で存在するものなんてないという結論に辿り着いた。

今まで彼女が追い求めていたものを否定することは、
彼女に湯船で涙を流させた。
アオは、自転車に乗って夕日を見るときも泣いた。


「シンジツ…。」


アオは友達もいなかったし、
お父さんもお母さんもいなかったので、
真実を心のともだちとして設定していた。
真実がこの世にいるならば、と
生きてきたのだ。 


私はアオを上からずっと観てきた。
私はアオの友達になりたいと思う。
私の名は、空という。