作品との関係

作品を買ってくださった方からのお写真とメッセージを、ギャラリーの方を通じていただいた。

写真に映る作品はとても美しくて、
私がみたことのない表情をしていた。
そうか、私が知らない部分もあの作品のなかにはたくさんあるんだな、と思うととても不思議な気持ち。

そのようなメッセージをいただいて嬉しい気持ちでいっぱいだし、また、作品は私自身ではないのだというところに本当にフレッシュな素敵な感覚を覚えた。

また、置かれた場所によっても作品は色んなことを発してくれるから、そこでまた育っていくのだろう。

ものと、人との歴史ってほんとに不思議だ。
わたしはちょっとした理由で、わたしには直接的には関係のない人が買ったであろう食器などを使っていることがある。なんでここにあるんだろう?これを買った主はどこかへ過ぎ去っていって、物だけがここに存在し続けた。そこへわたしが登場し、わたしは物を通した過去を覗き見る。人はどんどん過ぎ去っていくのだ。それを手にしようとした瞬間が確かにあったのだ。使った歴史も。そしてそれは過ぎ去って行って、人はどこかへ離れてゆく。ものがポツンと空間に存在し続ける。ああ、不思議だ。

でも、それでもいいや。それでもいいのだ、そういうふうにこの前「記憶の交換」という名前の展示を、Tさんと開いて展示準備をしていくなかで、感情が変化しつつある。どんどん過ぎ去りながら、やはりキラキラとした感情を最後に出せる、そういう人生だったらどんなでもいい、途中に腐ってもいいじゃん、まだ死んでないんだし。死なないんだったらいつからでもなんだっててきるじゃん、死んだらできないけど!

そういうことかな。