比叡山で一日回峰行(比叡山ナイトウォーク)をした話

 

最近たまにTwitterでも呟いているのですが、仏教に興味が出てきました。

 

今まで神社は地元の産土神社と、今住んでいるところの鎮守の氏神神社には、散歩や帰省の際によくお参りしていましたし、たまに神社と美術関係のお仕事で関わることもあったりして、私にとって神社はとても身近な存在だったのであります。御朱印は特に集めていないですが!

 

仏教はというと、実家にも仏壇もあることはあるけれど、お葬式とたまの法要以外はほとんどお付き合いがなく、菩提寺と言えるくらいの関係もほとんどないという感じでした。もしかしたら追善供養などを行わない宗派だからお寺と触れ合う機会が他の宗派に比べてすごく少ないからかもしれません。

 

ですが、最近!何がきっかけになっているか本当にわかりませんが、仏教、、、面白い〜〜〜〜 仏像も面白いいいいい(ある側面では美術作品のための勉強としても)となっています。

 

日本の仏教の中で、目立つのはやはり弘法大師空海さまと伝教大師(でんぎょうだいし)最澄さまではないでしょうか?同じ時期に生まれて、同じタイミングで遣唐使として唐に渡り、帰ってきても手紙でやり取りをして、どちらもその後の日本の仏教に影響を及ぼす存在になっている。熱いドラマみたいなお話 ・・・ 

 

実際に漫画などにもなっていますね。私も読みました、おかざき真里さんの「阿吽」史実などと照らし合わせてツッコミどころはあるということでしたが、それでも面白いのでおすすめです

 

私は、今まで実家の菩提寺とはお付き合いがなかったですし、もし菩提寺にお話し聞きに行きたーいと思っても今住んでいる東京から福島まではなかなか遠いですので、まず仏教についていろんな本を読んでみようと思いました。

 

ただ、仏教の解説本なども、いろいろあります。例えば真言宗のお坊さんが書いたものは、真言宗の立場での内容。浄土宗だったらそちらの。

 

なので、俯瞰して見たいときはそれぞれの立場のいろんな角度からのものを読む必要があります。その上で、好みとしての「どうやら私はここと合いそうだ」というのはあると思います。決して真実は一つである必要はなく、合う合わない、自分はこう思う、という立場でいたいなと思います。

 

おそらく弟子入りしたお坊さんだとこの立場ややり方はあまり良くない場合もあると思います・・・。あくまでもそこのお坊さんとして、外部にお勉強に行く際にはその立場の上での「留学」みたいなものになると思います。そうでない宗派もあるかもだけど

 

私はまだ弟子入りも何も、右も左も何もわからないですから、それぞれを体験したくて仕方ないただの無知ニンゲンですのでなんでもできます。

 

ということで?!

 

まず・・・・・・

 

・・・・

比叡山の1日回峰行に行ってみたい

 

 

こう思ったわけであります。(回峰行についての説明はここでは省きます)

※現在は比叡山延暦寺の宿坊であります延暦寺会館の主催として

「比叡山ナイトウォーク」という名前で毎年3回くらい開催されています。

※今回は天台ですが、今後高野山にも行きたいし、禅宗のことも感じたい、親鸞さん、日蓮さんのことも勉強して行きたいです

 

 

 

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この本を読んでから行きました。

比叡山延暦寺には実は延暦寺というお寺はありません。

とても広い敷地内それ自体を延暦寺とし、

それぞれのエリアでお寺が何個もあります。

 

また、そのお寺によって何を核として修行されているのか、

どういう系統なのか、他の宗派とどのような繋がりがあるのかの歴史、

気風などそれぞれ違うみたいです。

 

今回参加した比叡山の「回峰行」を行うのは無動寺で、修験(しゅげん)の御修行なさるというのが特徴と言えるのだと思います。

 

仏教の、祈祷や厳しい修行を行うような宗派は、

どうやらその内容を事相と教相というのに分けることがあるみたいです。

例えば祈祷を中心に行うようなことは、事相(じそう)、

お経の解釈など、学問的に深く御修行なさる方々は学僧(がくそう)というみたいで、そのことを教相(きょうそう)というとのこと?

 

葉上さんもだと思いますし、あとこの方のお師匠さんでいらっしゃる叡南祖賢(えなみそけん)さんは叡山の傑僧と言われていたみたいで、伝説的なお坊さんとのこと。事相も教相もどちらも精通してらっしゃったそうです。それまでは、無動寺はどちらかというと学がないみたいなような感じに見られることもあったそうですが、この方あたりからその見られ方も変わってきたとのこと?

 

 

そんなこんなで、いつの間にか出発なのであります!!!!!!

アーーー!!緊張しました。

なんせホームページにはこのように書いてありますので。↓

 

 

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なんせ太字です。

体力に自信のないお方は

ご参加をご遠慮ください。

 

 

飴色 「 はい。。。。」

 

ということでできる限り体力をつけていきました。

高尾山に2回くらいいって、縦走コースを登ったり。

ジョギングの回数を増やしたり。

太ももを鍛えたり。(これは最後の一日だけやった)

 

おそらく必要になるだろうと、登山用の杖も購入いたしました。

 

 

 

 

結果

 

 

 

 

暗い・・・そして大雨です!!

 

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途中途中の箇所で参加者の皆さんとお坊さん方と一緒に般若心経をおとなえします。

あと、ところどころで何もない場所や木やいろいろなものに向かって、柏手を2回うちます。参加者が多いので、前の方の列の人はお坊さんの所作を見て対象とする木や石仏や、空間でも「あのあたり」と定めやすいです。

でも、伝言ゲームみたいなもので、だんだんズレが出てくるので、

最後の方の列にいたタイミングでは皆さんそれぞれ、どこが対象か全くわからず(まだ夜で暗いですし)、最終的にはその人の判断で

 

「あの辺だ!」とパンパン!と打っていました。

 

前の人と後ろの人で反対を向いているようなこともありましたが

しかしながらきっとそれでもそこに感謝するという本質は変わらないのだろうと思いました(特に対象が空間の場合・・・)

 

 

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雨のなか、すすみます。結構な速度です。もし10秒くらい止まっているとどんどん距離が空いてしまうようなスピードです。

 

途中までは大丈夫でした。下りの坂道が多いので、距離を長く歩くということにかけては評判がありますこの飴色、順調に歩みを進めておりました。

 

「最澄さまも回峰行はしていないとしても(回峰行の原型となるものを始められたのは違う方なのです)、この辺りのお山をお歩きになっただろうか」と思ったりする場面もあったりして(回峰行中このようなことを考えるのもダメだったらすみません、、、、あぁぁ)

 

 

そして時は来ました。

当初から、ある地点から先はきつい上りになるので、そこからはそのまま修行についていくか、そこで終わりとするかを選べるコースが始まります。

当初の予定通りのコースだと、そこから先はかなり長く、きつい道なので私は今回はなしにしようかなと思っていました。申し込み時にまずどちらかを選べて、歩きながら変更もできるのです。

 

しかし当日は大雨。コースが変更になりました。

本来のコースは滋賀院から無動寺までの2時間の上り坂のコース。

これが、本坂というコースに変更です。

本坂というのは昔の比叡山のいわば「表参道」とのことで、昔は貴族の方々などがこのコースでお参りにいらしていたとのこと?

このコースは、当初のコースより時間が短く、1時間弱とのこと。

 

悩みました。当初のコースであれば私の体力ではぜっっっっったいに無理、

考えずにそこで終わって延暦寺会館に戻っていたでしょう。

 

でも、、、半分くらいだったら

頑張ったらいけるのかもしれない。

生きている間に回峰行のコースに申し込みできるの、またとはないかもしれない。

もしかしたらもうすぐ死ぬ運命だったらもう二度はないかもしれないし、、、

など考え

 

 

ここでお戻りになる方?

の掛け声に無言でお返事をしたのでした。

 

 

 

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

 

 

この一行で全てお伝えできるかと思います。

 

 

この判断によって皆様にご迷惑を、、、、、

私は私の体力を過信していました。

 

本坂コースを登り始めて1分で悟りました。

 

「これは大変なことになった」ぞ、と

 

それでも私の後ろには3人ほどいらっしゃいます。

早い方はスッと前の方へ。

私含めて数名のメンバーははあはあと、前へ前へと進みます。

 

こんなこと考えて、ダメかなと思いますが私は思いました。

 

まだ後ろにも少しだけいらっしゃる、まだ私も大丈夫だ、頑張るぞ

と・・・

 

 

はあはあはあはあ

途中途中で修行中の若いお坊様がたが、私の様子を見ながら励ますように、しかしながらあえてたくさんは声をかけずに、見守って進んでくれます。

「すみませんすみません」と言いたかったですが、それでもきっとお坊さん方は「大丈夫ですよ」と言ってくれるだろうし、その分の喋る体力で頑張って登って最後にうんとお礼を言おう、、、もうそう考えるぐらい体力がギリギリでした・・・・・。

 

なんで皆さんそんなにスイスイ進まれるの、、、

皆さん体操選手か何かなのっつ。。。。。。

えーんえーん

 

そう思いながら、心が汚れている私はまだ大丈夫だというのを確認するために(汚れすぎている、、最澄さんごめんなさい ahー)

後ろを確認します。

 

 

 

エッっっっっっっっ

 

 

 

・・・・・・・。

 

 

後ろに、誰もいません。

少し離れたところから登ってくる様子も全くありません。

 

 

そうです、いつの間にか後ろの方々はおそらく途中で引き返されたか、

自分の体力を冷静に判断なさってか、リタイアされたかのようでした。

 

 

あーーーーーーーーーーー➖ーーーっ

 

 

そこから先はもう、記憶がありません。

恥ずかしいけど頑張るしかないし、リタイアするならすぐにしないといけないけれど、なんとか登りきりたい、でも前の人のご迷惑になるのも申し訳ない、

ぐるぐるぐるぐる考えながら登りました。

 

 

すると、「あ!戻ってきましたね!」

隣を優しく見守りながら、

道にある枝などを避けながら、随行してくださっていた若いお坊さんたちが声をかけてくださいました。スタートした延暦寺会館に戻ってきました。

 

あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

 

ありがとうございますありがとうございますありがとうございます

 

なんでそんなに優しいんですかああああ

でも、何を差し上げられるわけでもなく

ただお礼を言って、お礼を言う以上のことも伝えられず、

胸の中にはただ感謝が溢れました。

 

先頭をいってらっしゃった、先達のお坊様もそうです。

早くしてくださいと声をかけるわけでもなく、頑張ってとも、リタイアしたらどうですかとも言うわけでなく、私たちを導きながらも道中はお祈りをされ、

そこをついてゆく人々のことは澄んだ水のような感じでお守りしてくださいました。

ありがとうございました。。。

延暦寺会館のスタッフの方も優しいし、、、、

延暦寺、なんでこんなに優しい気に満ちているんでしょうか?

 

境内でもそうですが、全体的に最澄さんってすごく優しい方だったのだろうと言うのが至る所から感じられました。延暦寺会館のお部屋自体でも感じました。

 

柔らかい気持ち良いそよ風のような優しさ、、、、

 

最澄さま、延暦寺会館の皆様、

お坊様方、ナイトウォークメンバーの皆様、ありがとうございました。

 

一番遅くて皆さんの歩みを遅めてしまったこと、申し訳ありませんでした。。。。

 

もし次にいける機会があったらもっと体力をつけてお祈りへの集中を高めたいと思います・・・・・

まずは日々のジョギングを頑張ろう。。

 

 

以上、比叡山1日回峰行の体験記でした。

 

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黄色いチェックが私です。一番最後におかえりです アーーーー

 

 

 

こちらは、延暦寺会館のカッフェでいただける梵字ラテです!

奥のお人形は最澄さま

可愛い、、、、買えばよかった・・・・後悔しております

私の干支は新暦ではうさぎですが、本来の旧暦での計算では虎です

五黄の寅の女です キリッ

なので寅年生まれの人のご守護、虚空蔵菩薩さまの梵字【タラーク】のラテです〜!!

これは帰る前にいただきました。

目の前の霧が深いお山の景色と最澄さまのお人形に癒されながら同行の家族と一緒に今回の回峰中の出来事を振り返ったりしました。癒しタイム

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雨の根本中堂の様子。改装中です。

中の様子は、今まで見たことのない作りでした。

お坊様がお座りになるのが、地下一階くらいで、仏様が、その前に立つ私たちと同じ高さになるような作りになっています。

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このような日でした

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これは開始前に配られたパンフレット。

修行であることを念頭に。なのであります。

 

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出発する前の、仮眠前の食事のメニュー表です。

食事ではありますが、非食(ひじき)と言うそうです。なぜ非なのかは私では説明しきれないのでお調べくださいませ

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終わり