古くなったシリコン実験

連日、古くなったシリコンと格闘している。
鋳造のような作品を作る人にはおなじみの二液硬化のシリコン。

私は藝大時代の先輩に教えてもらって、信越のKE12というシリコンを使っている。
Amazonでも取り扱いがあるんだけど、Yahooで一つ2600円くらいのものがあるので、
送料無料になる金額にしてまとめ買いしていた。

んだけど、シリコンって長期保存ができないんですね。
購入してしばらく使っていたけど、使わない期間がかなりあって、
久しぶりに試したら劣化してしまい使えなくなっていた。

私はやりたい!と思った日にどうしてもやりたいから、
例えば計画を立てて、必要になったら材料を揃える時間というのが嫌いなので
ある程度いつか使おうと思える材料だったら先に全部揃えておく性格なのだが、
シリコンにはこれが通用しないのだな・・・。
勉強になりました。

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試しにいろいろ実験してみた。
信越KE12>
開封済みで、尚且つ1年以上家で保管していたもの→全く硬化せず
②未開封長期保存のものに、よく振るのを忘れた硬化剤を入れて攪拌→硬化せず
③未開封長期保存のものに、よく振った硬化剤を規定の1%程度入れたもの→硬化せず
④未開封長期保存のものに、よく振った硬化剤を規定の1%の倍程度入れたもの(古いシリコンに硬化剤を多めに入れると硬化成功する場合もあるという前情報があって試した)
→硬化するが、本来の様子とは違い表面がベタつき、中も柔らかめ。実際型取りに使うにはちょっと無理がある。

という感じでしたので、全部サヨナラ・・・。

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そして、信越のKEー12よりも手に入りやすい、つまり
いろんな所ホームセンターや手芸屋さんなどでも取り扱いがあるところが多い、
Mr. シリコーンというものもあります。
こちらは、信越KE-12よりも、仕上がりが硬くて柔軟性はあまりない、
粘性もより高いので、細かい造形に入りにくく精度はあまり期待できないかな、という感じの
シリコンです。でもその分安いし、細かい物でないならばこれで十分かなという感じ。

こちらも一年以上保存していた未開封のものが一つあったので、
実験。こちらは硬化剤を入れる前から若干シリコンが硬くなっているかなという感触。
それで実際に硬化剤を入れて(信越KEー12は硬化剤割合は0.5〜1%だけれど、Mr.シリコーンの場合は4%)みた。

なんと!こちらは割とちゃんと固まる。
硬化後の感触も、長期保存でもそんなに変わらなかいかな?という程度。
ただし、やはり多少の劣化なのか、泡が抜けていない(流動性が低い)なという感じ。
ただ、こちらのシリコンは元々固めなので、長期保存ではなくても泡があまり抜けない感じがあったから、それほど劣化しているということにはならないかも。

という感じで、Mr.シリコンは安くて精度がそれほどでないけど、長期保存でもそれなりに使える!という結果になった。のだった。


材料って、面白いよな〜。


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シリコン型取り(材料メモ)

シリコンは最近は信越シリコン KE12というのを使っている。ひっっさしぶり(おそらく一年くらい)にシリコン型取りをしようとして、開封済みシリコンで試したら24時間経過後も硬化せず。


開封のものは大丈夫だった。いちおう消費期限というのがあるみたいだけど、未開封の場合はある程度大丈夫なのかもしれない。

ただ、未開封の場合も、硬化剤のほうもよく振って使わなかった場合は固まらなかったので要注意だ。

固まらなかったシリコンほど片付けが大変なものはない。ワックス原型の片付けよりも大変かも。

下に敷いた代や、原型周りのシリコンをある程度拭き取り、その後はラッカーうすめ液をふりかけ、溶かしながら拭き取った。ちなみにラッカーうすめ液はワックス原型の表面をなめらかにするときにも使える。


生の演奏会と耳の振動

家で制作をするとき、音楽をきく。
バッハのピアノなど。

CDやパソコン(Spotify)でもきくけど、
イヤフォンやヘッドフォンで聴くほうが生の演奏会に近く聞こえる。パソコンからの音が無味乾燥だからかもしれないし(スピーカーが良いと違うのかもしれない)

わたしは、例えば隣の部屋に音が漏れちゃうんじゃないかと思っちゃったりする。ので集中できない。

あと、イヤフォンやヘッドフォンだと、録音したその場の「ザー」という無音の音が入っていたりするのがよく聞こえるので、まるでその場に潜り込んだような気分になる。

CDやパソコンからの音は、わたしのいる空間に別の空間が次元を間違えたかのように漂ってきているのを耳を済ませて聴く感じ。


透明が好き

透明が好き、それこそがわたしの好みの核かも知れない。

ガラスが好きで、作れるようにもなりたくて学んだ。しかしガラスだけをみているわけではないようだった。この4年でわかったことだ。

例えば薄いセロファンも好きだ。

なんなら春雨もすきだし、葛餅もすきだ。
つまり透明のものがすき、
透明から感じるなにかしらに惹かれるみたいだった。


ベートーヴェン好きの元に生まれたバッハ好きの娘

あるところにベートーヴェンを好きな人間が居た。
重い雲が溶けている暗い空の元、車を走らせ沼を眺めに行くような男だった。
男は娘を持った。娘はバッハ好きに育った。

なぜ彼のような人生の辛さを芯に持ち続けることがまるで信念のような人間の元で、
そことはまた別の重さを持った、そして次元の違う場所を夢見るような音楽を好きな人間が育ったのかは謎だった。彼女の母親は音楽とは友情を持たない人間だ。

あるいは例えば、リストだとかショパン好きが育ったのだったら幾ばくかは
周りは納得したかもしれない。

好みが違うということは、見えている世界の違いを表す。
父と娘が観る沼の色は違うのだった。
色は違く見えているが、隣で沼を観るという関係性を持つ縁があるのだという
奇跡みたいなもの、それこそが彼と彼女の間の縁の力だった。

沼を観ながら父はグルダのピアノの音を脳内で再生させ
娘はケンプのバッハを再生させていたのだ

もしかしたら、人は生まれる前から好みを携えてこの世にやってくるのかもしれない

「ま、話はあんま合わないかもしれないけど今回はいっちょ
ベートーヴェン好きの人のとこにでも生まれて異文化交流でもしてみるか〜。」的な感じで。

種をまく日を間違えてはいけない

昨日ともだちとも話した、「種ををまく日」。

種を巻いた日の後の気温や天気によって
その後一生の成長具合が変わってしまう話。

芽が出て小さめの苗の状態になるまでが本当にだいじで、

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1)とある日Aに種まき。時期が早すぎた。苗が二週間で3センチに成長。

2)とある日Bに種まき。時期がばっちり。苗が二週間で3センチに成長。
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上にように、二週間で3センチに成長、までが全く同じなのに1)にほうはその後成長しても芳しくなく、2)はぐんぐん大きく立派に育つ。もちろん土の状態も影響するけど、同じ土で実験してもやっぱり違いが出る。


三つ子の魂100までかよ、、と思い、
とても怖くなる。そこまでに何かを間違えてしまったら取り返しがつかないのかよ、と。

人間はそうであって欲しくないと願う。
意志の力、という部分で自然とまた違う作用がもたらされることを望む。

そうでなければ、わたしたちは完全に受動的な存在になってしまう。自分の人生は自分が決めるのだ、そういう力の尊さをわたしは好きだからな。。

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それに関連して、またともだちと、
でも「種まき」したのは人間だね、
種まきじゃなくて自然と種が落ちるのにまかせる方法だったら、「種まき日を間違えることはないんじゃない?」という話になった。
その流れで、でもそもそも
たとえばトマトとか、苗に支柱を立てたりするのってもはや「自然じゃなくない?」という話になる。

「でも、まって。自然にそもそも勝手に育つ野菜ってあるっ?野菜の歴史も相当古くて、野菜の歴史自体に人間も組み込まれてるよね?」
となる。

そこでともだちが読んだ本をお勧めしてくれた。
FullSizeRender


という話でした。

画面上の水感

日本画、油絵を1回分くらいの、先生からの教えと
そのほかの自分独自の学びによって、
材料の特質をだんだんつかんできた。

画面上において、実際水で絵を描くような技法は
日本画だけれど、画面上に水っぽさがでるのは
油絵だ。

水のある空間や空気感は日本画材(膠と水)でも出せるけど、、水そのものの濡れ感は出せない。


春雨

「はるさめがすきよ。」

「美味しいし、きれい。」

「雨に似ているね。」

「そう、雨に似ている。」

「静かな明け方の雨。」

「孤独な夜の10時の雨、空は10時なのに少し明るくて青い。」

「やわらかな雨」

「やわらかな雨」