記憶の交換

前回二人が同時に出品した企画展で、お互いが記憶をテーマにしていました。そういうことも今回二人展をすることにも繋がっています。

それぞれ、「記憶」というものの扱い方、それをつかった作品へのアプローチは違います。たとえば田中は記憶というものの曖昧さによって時間経過や人によって認識の変化や違いが生まれることを軸に、武蔵は過ぎ去って忘れられていく万物を作品が記憶しておくというようなことを軸に、制作を行っています。

交換可能かもしれない曖昧さをもった余白のあるような記憶、作品がさまざまな記憶を保持する装置として働くならば、どこかでそれは普遍性をもち誰かの記憶と交差し交換もあり得るかもしれない、

というような視点をもっております。

また、二人展をするにあったって私たち二人の間の記憶を交換し、二人展開催中には作品が鑑賞者と記憶を交換するというような意味も持っているのを意識しております。