まぼろし

この世界がたまにあまりにも美しいので
私はひとり泣くことがある

私が好きなあの人も
ちょっと心配なあの人も
私でさえもいつかこの世を去る時がきて

後に残るのは何もないだろう

この美しさを残しておく術はなく、
花が枯れて土に戻るように
それの自然をただ眺めるだけです

音楽が鳴って流れて行くように
後には何も残らず、みなが夢のようです

美しさに耐えられず流す涙もまた
まぼろしでしょう