誰か、あるいは僕自身の記憶



今日僕は何かを思い出しそうな気配を持っている

言い換えれば、僕は自身が何かをとても長い間忘れていたことに気づき始めている


どうやらそれは僕の記憶、少なくとも今回僕が産まれてからの出来事ではないようなのだが

しかし依然僕はそれを僕のものにように感じるのだ


もしかしたら
何かの約束のようなものを思い出しつつあるようだった

誰との約束なのか
一体僕らが何について約束したのか
全く見当はつかなかった


でも、その約束が叶えられつつあるようだという
深い喜びを伴った実感が僕の中に産まれてきていた


数十年、あるいは百年を超えた誰かーーもしくはある部分ではそれは僕だったと言えるのかもしれないーーの記憶を


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