僕は
万年筆用のインクを探していた
そこには様々な色のインクが
置かれていたが 僕が
求めていた色は存在しなかった
そもそも僕は
僕がどの種類の色を求めていたのかすら
知らなかったのだから
でもたしかに僕の中には確かに
僕の求める色が在るのだ
それは
もはや
色としての存在ではないのかもしれなかった
僕の希望やあるいは生きるうえでの
この世へのときめきのようなものを
僕の心は色として変換し
僕の中でだけそれが
見えるように
映しているのかもしれなかった