2017-06-19 ヘンゼルとグレーテル 詩 poetry 「鳥になってみたいと思うことがあるんだ」 「どうして? 飛んでみたいからなのかしら」 「違うんだ。 風に吹かれて 街を見下ろして 僕がひとりで飛んでいる。 周りには誰もいない。 虫もいないし、雲だっていない。 ただただ透明なまっ黒の空気のなかに 僕だけがいるんだ 僕はとにかく飛んでいる 僕と風だけが居る でも下には明るい街が見えるし 上には星だって光ってる 月も居るだろう そういう孤独なところに 僕は行ってみたいんだ わかるかい?」 「そうね、 ぜんぜんわからないわ。」