黒曜石


 僕はある石を手にとって、それを眺めた。
 これはある知人が僕にくれた黒曜石。
 僕はこれをもらった時には特別な興味を持たずに
 この石は長く僕の机の隅に置かれていた。

 近頃、石はなぜか僕に語りかけてくる様になった。
 僕もなぜ知人がこの石をくれたのだろうかとか、
 また、どんな気持ちでだとかを考える様になった。

 黒曜石が僕の家に来てから数年が経っていた。
 今では知人とは連絡はとっていない。
 僕の側には黒曜石だけが残っている。