ヴァニタス

昭和が終わるギリギリに生まれた僕らは
二人とも一人っ子で

僕らもまた例外ではなく
まっとうに互いにワガママだった

そして僕たちは同じ種類の孤独を持っていたし
それを嗅ぎ分けて無言で励まし合うことだってできた

僕らは幸せだった
同じヴァニタスを見ていた