カメラ


たまに こういうことがあるんだ。
未来の自分へ向けて、こころの内側でその景色や状況だとかを、記録することが。


『カメラみたいに?』


あぁ、そうだね。カメラみたいに。
そして不思議なことに、
それらの情景たちは
何年経っても僕のなかでずっと
生き続けている。
ひとつせつないであろうことがある。



『何かしら?』



それをカメラで撮る時、ぼくは
きっとこの幸福が永遠には続かないことについて覚悟を決めているということだ。



悲観主義者』




おっしゃる通り。
僕はただたんに悲観しているだけにすぎないのかもしれない。
そうだと仮定できれば、この先の人生にいくぶんかの明るさがもたらされるかもしれない。ありがとう。




『どういたしまして。』